2013年10月4日

北岳バットレス・第4尾根。

白根御池小屋のキャンプ場で一夜を過ごした翌朝は、いよいよ今回の目標である北岳バットレスを目指して出発です。
ルートは、最もポピュラーな第4尾根に取り付くことにしました。

北岳バットレスは2010年10月10日に大規模な崩落が発生し、その第4尾根の最終ピッチが消失しています。

ところが昨年辺りから、そのなくなった最終ピッチの際を左にトラバースし、Dガリー奥壁の最終ピッチに繋げる形で登る人が増えているというのです。

実際に登った山の仲間に聞いても、

「トラバースは怖いけれど、何とかなるよ。」

とのこと。
真偽の程を確かめたいと思い、登ってみることにしたのでした。

アプローチの途中から見上げた、北岳バットレスの全景。
紅葉がとってもきれいです。

北岳バットレスへのアプローチは、大樺沢左俣からC沢を登るのが一般的ですが、C沢は水が流れていて冷たそう!

今回はそれを敬遠し、登山道がバットレス基部をそれて左に折れる地点の、D沢を詰め上げて取り付きを目指しました。
バットレス基部について、そこから第4尾根に取り付くにはまず、下部岩壁を登る必要があります。

私はこれまでにBガリー大滝、Dガリー大滝の各ルートを登ったことがあり、今回はもう一つポピュラーな第5尾根支稜を登ってみました。
まあまあ登りやすい、良いアプローチだと思いました。

第5尾根支稜の終了点からは右に回り込み、Dガリー大滝の終了点をビレイ点として横断バンドを右に進む必要があります。

今回はここでルートを間違い、少し時間ロスをしてしまいました。
Dガリー大滝終了点からも右に進めそうですが、7~8m上の細いバンドを進むのが正解です。

途中でピラミッドフェースを登るパーティと交錯し、その先ではCガリーのガレ場を登って第4尾根の取り付きを目指します。

Cガリーの途中、左手に顕著に見える凹角を登り詰めると、いよいよ第4尾根の稜上へ。

これは第4尾根出だしの、つるりとしたクラック。
これまでに大勢のクライマーが登ったからでしょう、岩が本当にツルツルして、大変に登りにくく感じました。

容易なフェースを経て段差を右に回り込んだ先の、白いクラックと呼ばれるピッチを上から見下ろしたところ。
この辺りは快適にグイグイ登っていくことができます。

これも短いですが登りにくい、三角形の垂壁。
左の写真のような、浅い凹角を登っていきます。

その後はやせたリッジを伝い、懸垂下降点へ。

リッジ上から10m余りの懸垂下降で、マッチ箱のコルへ。

上部のリッジから見下ろしたマッチ箱の様子。
ピラミッドフェースを登ってきたパーティが、懸垂下降点に到達するところです。

背後のなだらかな山稜は、池山吊尾根。
昨年3月に、今回のパートナーである川口晃くんと一緒に登った尾根です。

そしていよいよ、問題の崩落箇所へ…。

残骸だけが残っている枯れ木テラスから反対方向を覗き込むと、大きくえぐれた、崩落した断崖となっていました(写真左)。
ここはかつては、バルジと名付いたラインがあったところですが、ごっそりとなくなっています。

そして今は、崩落面と反対側の一見しっかりした岩場に足を置き、崩落によって生じたナイフリッジの縁を掴んで左にトラバースすることになります(写真右)。

う~ん、見た目は安定しているのですが、反対側はえぐれているのです。
ここが崩れるのも、時間の問題かも??

さらにナイフリッジが終わった後は、50cm以上も幅の開いたギャップを乗り越えなければならず、けっこうドキドキでした。

最後は、Dガリー奥壁の最終ピッチのチムニーを登って、緩傾斜帯へ。

緩傾斜帯を登って、たどり着いた北岳(きただけ・3192.4m)の頂上。
背後の山は、仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ・3032.6m)。

この後は、草すべり経由で一気に白根御池へ。
テントを撤収して、16時前に広河原に戻りました。

これは広河原のバス停に掲示してあった、北岳バットレス崩壊箇所の写真です。

遠目では岩が少し欠けた程度ですが、事故時には落石で命を落とした方もあったし、ルートに取り残されてヘリコプターで救助された人もいました。
崩落した岩盤の堆積は、少なくとも2万4千立方メートルはあったのだとか…。。

さて話題は替わって、広河原から夜叉神峠入口への交通は、下山時には乗合タクシーを利用しました。

運賃900円に加えて、南アルプスマイカー規制利用者協力金100円の、合計1,000円。
バスよりは80円高いですが、こちらのほうが乗っている時間は短く、本数も多いので、乗れる時には利用すると便利だと思いました。
(7人しか乗れないのが難点です)


下山後の入浴施設

今回は芦安温泉の中にある、岩園館を利用しました。
入浴料は1,000円。
ちょっと高い???

しかしお風呂はとっても快適です。
立ち入り入浴でも2箇所のお風呂が利用可能であり、今回は露天岩風呂に入浴。
絶妙な温度の広いお風呂で、本当にゆっくりすることができます。
じっくりゆっくりとお風呂につかりたい方にはぴったりの、お勧めのお風呂でした。

▼関連エントリー
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急登が続く池山吊尾根。 (2012年03月14日)
明るい北岳の頂上へ。 (2012年03月15日)
下って登って夜叉神峠へ。 (2012年03月16日)

▼同行者・川口晃くんの記録
紅葉の北岳バットレス第四尾根 : Estrellas y Borrascas

▼参考書籍
  

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