2013年12月8日

血だらけの外傷者処置実習。

日本山岳ガイド協会による、ファーストエイド義務講習2日目です。

ところで今回の義務講習の実施場所は、長野県小諸市にある安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター
名前だけ見ると、それっていったい何?と思われるでしょう。

安藤百福というのは人の名前で、あんどうももふく、と読みます。
この人は世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」と、世界初のカップ麺「カップヌードル」を開発した日清食品株式会社の創業者。
安藤さんはすでに故人なのですが、生前は子どもたちの自然体験活動の奨励に熱心だったのだそうです。

その思いを引き継いで、2010年に誕生したのがこの安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター。
とても利用しやすい立派な施設です。
ただし個人での利用は不可。

自然体験活動、野外教育活動、環境教育活動、アウトドア活動などの 普及•振興•教育などを目的とする団体、学校、機関等に利用者は限定されています。

安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター


大きな窓のカンファレンスホールからは、うっすらと雪化粧をした浅間山(あさまやま・2568m、右奥)と、黒斑山(くろふやま・2404m)から連なるその外輪山を望むことができて、とても良い雰囲気。

ところがこの日の午後は、傷病者に対する処置の実習を行うことに。
美しい浅間山を望みながら、血だらけの痛々しい場面が展開されたのでした。
(もちろん、作り物ですが)

ということで、血や傷口の写真が苦手な方は、この続きの閲覧はご遠慮いただくのが良いと思います。。

突然死における脳、心疾患

とりあえず午前中は、前日から引き続いての座学です。
講師は救急救命医の渡瀬淳一郎先生。

症状が発生してから24時間以内に亡くなってしまう、いわゆる突然死の原因となる病気についての解説です。

突然死の元因は、心疾患(狭心症と心筋梗塞)および脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の2つ。

発症のメカニズムと、予防策(体温を一定に保つ、水分補給、しっかりとした睡眠、ビタミン補給)などについて教えていただきました。

けれども最後に、山の現場で発症した場合には、救命はまず困難と思われる、とまとめておられました。

確かにその通り…。
入山前と、登山中の健康管理が、何よりも大切だと認識しました。

外傷の基礎

昨日に引き続き、外科医の金田正樹先生が講師です。

外傷の場合は呼吸困難への対処、止血処置が最優先であること。
また開放性骨折(折れた骨の断面が皮膚を突き破った状態)というのは、傷病の中でも最悪のシチュエーションのひとつであること。

そういったことを軸に、創傷処置の判断方や、止血、骨折の固定方法。
さらには捻挫や脱臼、突き指に対する処置の考え方についても、ご指導をいただきました。

外傷の処置実習

ということで午後になって、いよいよ実習です。
金田先生直々に、止血や固定のやり方を見せていただきました。

そして自分たちでも実際にやってみました。

左の写真で、腕を固定されて嬉しそうなのは私です。
また右の写真で脚を固定されているのは、飯能の登山用品店・山遊人のご主人である小川元章さん。
現在はガイドとしても活動している、私の古くからの山仲間です。

模擬傷病者の総合訓練

基礎的な実習が終わった次は、いよいよより実践に近い実習です。

傷口もリアルなほうが良いとのことで、医療従事者向けの傷口セットが用意され、怪我人役に取り付けます。
これは開放性骨折の傷口セット。
いじくると血しぶきが飛び散るようになっていて、恐ろしいものです。。

こちらは特殊メークで作った腕の切り傷。
妙にリアルでした。。。

まあ傷口はリアルでも、対処方法はそれまでの実習と同様です。
傷病者を観察して重症度と緊急度を判断し、傷口洗浄、止血、固定と、冷静に処置していきます。

できるだけこういう場面には遭遇したくはないのですが、万が一の時は可能な限りのことができるよう、受講者同士で確認しつつ、対処方法を身につける努力をしました。

▼参考書籍

   

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