2014年1月6日

冬の鳳凰三山縦走についての覚え書き。

昨年末の12月31日(火)から新年1月2日(木)までの3日間で縦走してきた、南アルプスの鳳凰三山

この時期の鳳凰三山縦走について、興味をお持ちの方もあるかと思いますので、先に載せた記録に加えて、もう少し概要をまとめたいと思います。

入山時に見えていた白峰三山。しかしこの後、天候は悪化してきました。

▼日別の記録へのリンク

●1日目:12月31日 年末年始は南アルプス鳳凰三山縦走へ。
JR中央本線甲府駅から、タクシーに乗って夜叉神峠登山口へ。
そこから登山開始し、南御室小屋まで。

●2日目:1月1日 風雪の鳳凰三山縦走。
南御室小屋から薬師岳小屋へ行き、薬師岳~観音岳~地蔵岳と縦走。
賽ノ河原から下って、鳳凰小屋まで。

●3日目:1月2日 鳳凰小屋より御座石鉱泉に下山。
鳳凰小屋より、御座石鉱泉へ下山。
入浴後に送迎車に乗って、JR中央本線穴山駅まで。

○難易度

まず、計画時に気になるコースそのものの難易度について考えてみます。

古い本ですが『YAMAKEIアドバンスド・ガイド 雪山 入門とガイド』では、技術度★、体力度★。
コースは我々とは逆の、御座石鉱泉から登って夜叉神峠登山口に下るもので、前夜発1泊2日の行程。

また『日本雪山登山ルート集』では、技術度★★☆、体力度★★。
コースは夜叉神峠登山口から登って南御室小屋に宿泊、そこから地蔵岳まで行って引き返し、薬師岳小屋に宿泊、夜叉神峠登山口に下山という2泊3日の行程。

両者ともベースとなる基準が異なるのですが、いずれも初級者向けという位置づけです。

私自身の印象を、『山と渓谷』2013年2月号の「冬季3000m峰登頂ガイド」で自分が登って紹介した山と比較すると、以下のような感じです。

北岳 > 富士山 > 仙丈ヶ岳 > 鳳凰三山縦走 > 御岳山

やはりどちらかと言えば、雪山としては初級者向けのようには感じました。

○入山時の交通

新宿07:00発の特急スーパーあずさ1号(運賃2,210円+自由席特急料金1,300円)に乗ってJR中央本線の甲府駅まで行き、そこからタクシーで夜叉神峠登山口まで。
料金は9,980円でした。

甲府駅前にはタクシーはたくさんいて、特に心配はなかったのですが、念のため事前に予約をしておきました。
山梨貸切自動車という会社で、駅を出てすぐ左側の事務所から乗車可能でした。

山梨貸切自動車


○夜叉神峠登山口

あまりきれいではなかったですがお手洗いと、広い駐車場がある登山口です。
ただし鳳凰三山や、あとは北岳に向かう人もここに車を停めることになるため、駐車場はほぼ満車でした。

一段上がったあずまやのところに、登山届提出用のポストもあります。

なお冬期間は、路線バスの運行はありません。

◎各山小屋の状況について

今回の我々はテント泊。
したがって山小屋とも詳細は不明なのですが、それぞれの状況について気付いた範囲で簡単に記してみます。

ちなみに、どの小屋とも営業期間は12月27日から1月4日まで。
それ以外の期間については、それぞれの連絡先に確認をとってみてください。

○夜叉神峠小屋

宿泊は素泊まりのみ、10人程度の小さな小屋です。
今回は100円で、外のトイレを利用しました。

南アルプスNET 山小屋情報 夜叉神峠小屋


○南御室小屋

宿泊80人の比較的大きな小屋でしたが、今回はかなり混んでいるように見受けられました。

夕食については、事前の予約が必須とのこと。
夜叉神峠登山口からの登山道上の、携帯通話可能エリアには、写真のような看板があって宿泊予定者に対する電話連絡を促していました。

キャンプ地利用料は、1人500円。
トイレの先にかなり水量の多い水場があって、便利でした。

鳳凰三山 薬師岳小屋・南御室小屋


○薬師岳小屋

今回は通過のみで、詳細は不明です。
ただし小屋の前に多数のピッケルが刺さっていたことからすると、それ相応に宿泊者はいたものと思われます。

同行者が外のトイレを利用しており、料金は100円だったように思います。

ちなみにこの小屋には、キャンプ指定地はありません。

鳳凰三山 薬師岳小屋・南御室小屋


○鳳凰小屋

覗き込んだ限りでは中は暗かったですが、薪ストーブやこたつがあって、暖かそうな感じ。
左手の別棟に、素泊りで泊まっている方もありました。

キャンプ地利用料は、1人800円。
小屋の前から3分ほど下った沢の大岩の下から水が流れており、便利でしたが、水量はやや少なめでした。

南アルプス 鳳凰三山 鳳凰小屋


○御座石鉱泉

今回は入浴のみ。
料金は高く、1人1,100円です。
お風呂の設備も古く、特別に良い、ということはありません。

ただしフロントのおばさんは親切で、いろいろとお世話していただきました。

南アルプスNET 山小屋情報 御座石鉱泉


○下山時の交通

御座石鉱泉でタクシーを呼ぶことを考えていましたが、路面が凍結しており、しばらく下ったところまでしか入れないとのこと。

従って今回は入浴をして御座石鉱泉を利用したということで、そちらの送迎車にJR中央本線の穴山駅まで送っていただきました。
代金として、5,250円を支払いました。

穴山駅というと韮崎駅よりも2駅、東京から離れており不便にも思いましたが、各駅停車の列車に乗ってわずか21分で甲府駅です。
今回は甲府駅で途中下車して遅めの昼食をとったのですが、これはこれで悪くはありませんでした。

なお冬期間は、御座石鉱泉への路線バスの運行はありません。

○コースの状況

今回は年末の休みに入ってから数日後の登山ということで、ルート上のトレースはかなりしっかりしていました。
ラッセルになる場面は一度もありませんでしたが、全体に積雪量は少なめ。

稜線上では積雪30cmを超えることはほとんどなく、最も雪が深かったのは鳳凰小屋からの下山後しばらくの区間で、ところどころで50cm以上ありました。

いっぽう風は強く、目を開けるのが辛いことも。
稜線上では風で雪が飛ばされ、地面が出ている箇所も多かったのですが、そういうところでは風に小砂利が混じって顔に打ちつけてきて、非常に痛い思いをしました。

岩場も点在するのですが、いずれも傾斜は緩くて段差も大きく、特に難しいことはないでしょう。
赤抜沢ノ頭に向かう途中で、短い雪壁を登る箇所もありましたが、慎重に行けば問題ないと思います。

オベリスクは試すこともしなかったので、詳細はわかりません。

一番難しいというか大変だったのは、地蔵岳から鳳凰小屋への区間。
広い凍結した砂礫の斜面を下るのですが、歩きにくくてルートも不明瞭。
斜面の中央やや右寄りを下って、矢印の書かれた木を見つけることができれば、その先ですぐに樹林帯に入るので一安心です。

ただしトレースがない場合は、この場所から鳳凰小屋を経て御座石鉱泉向かう区間が、ルートファインディングが難しいように思いました。

ところで逆コースの場合、急登が断続する御座石鉱泉から地蔵岳の間が登りになるため、体力面では不利になるでしょう。

いっぽう稜線では、風を背にして歩くことになるため、小砂利で顔が痛くなることはほとんどないと思います。

○装備

一般的な冬山テント泊装備一式を持参しました。
詳細は以下の通りです。

個人装備

□ アウターウェア(上・下)  □ ウェア(上下)  □ アンダーウェア(上・下)
□ 帽子  □ 目出帽  □ 手袋(予備1~2)
□ オーバー手袋  □ ネックウォーマー  □ スパッツ  □ 登山靴
□ 靴下(予備1)  □ ザック  □ 防寒着(ダウン、フリース等)
□ サングラス  □ 水筒  □ テルモス  □ カラビナ 2~3
□ スリング 2~3  □ ピッケル  □ アイゼン
□ 地図  □ コンパス  □ ヘッドランプ(予備電池)  □ ライター
□ シュラフ  □ シュラフカバー  □ マット  □ テントシューズ
□ ナイフ  □ ホイッスル  □ 食器  □ 箸・フォーク・スプーン等
□ カップ  □ ハーネス  □ 行動食(3食分)  □ 予備・非常食
□ 日焼け止め  □ その他(携帯電話、カメラ、時計、現金等)

共同装備

□ テント  □ テントマット  □ ロープ(8mm×30m) □ ガスストーブ☓2
□ ガスボンベ☓2  □ コッヘル  □ 雪袋  □ スコップ
□ 食料(朝2、夕2)  □ 医薬品  □ トイレットペーパー
□ ラジオ  □ 天気図用紙  □ タワシ  □ 目覚まし時計

直前に登った岳獅会の仲間からの情報を得て、積雪は少ないことを知ってワカンは割愛。
またビーコン、プローブも装備から外しました。

実際に行かれる時は、ブーツはしっかりした冬用のものを。
また目出帽と手袋も、できるだけ上等なものを用意していくのが無難です。

○まとめ

雪山としては初級者向けとされる、冬の鳳凰三山縦走ですが、思ったほど楽ではありませんでした。

当たり前ですが、とにかく風が強くて寒かった!
気温は1月1日日没前の鳳凰小屋で氷点下7度だったので、八ヶ岳に比べると暖かなのででしょうが…。

なお鳳凰小屋で伺ったところによると、例年の年末年始はもっと天候が悪く、縦走できない人も少なくないのだそうです。

この後、厳冬期を過ぎた3月からゴールデンウィークくらいであれば気温も上がってきて、初級者にももっと取り組みやすくなるように思いました。

各山小屋とも、ゴールデンウィークは営業していることでしょう。

▼参考書籍


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