2014年2月7日

『探検家、36歳の憂鬱』。

事情があって、探検家、いやノンフィクション作家である角幡唯介さんの本をいくつか読んでいます。
実はこれまで、雑誌の『山と渓谷』および『岳人』に掲載された記事は、ほぼ全部に近いくらい読んでいるのですが、書籍をちゃんと読むのはこれが初めて。

まず最初に手にとったのは『探検家、36歳の憂鬱』。
この本はエッセイ集であり、一つ一つは短いので、取っ付きやすいかな、と思ったのでした。

収録されているのは、以下の8編。
  • 探検家の憂鬱
  • スパイでも革命家でもなくて探検家になったわけ
  • 行為と表現―実は冒険がノンフィクションに適さない理由
  • 震災―存在しなかった記憶
  • 雪崩に遭うということ
  • 富士山登頂記
  • 北極点、幻の場所
  • グッバイ・バルーン
この中で、『岳人』の2010年1月号に掲載された「雪崩に遭うということ」は、当時も読んで、はっきりと記憶に刻まれてました。

この人はなんてバカなのだろう、と。

文中には雪崩に遭遇した話が3つ、書かれているのですが、いずれも雪崩予防のセオリーを無視した、安直な行動の結果のように思われたのです。。。

ただし角幡さんは、常に自分自身を卑下するというか、ちょっと茶化すような書き方をする人です。
もしかしたらこの文で表したのとは、またちょっと異なる深い事情があったのかも?しれません。
ということにしておきます。。

他に印象に残ったのは、北極点探検の歴史を簡潔にまとめた「北極点、幻の場所」。
角幡さんはこのような、ちょっと気を抜くと無味乾燥になってしまいがちな、探検史についてまとめる名手。

北極を専門とする冒険家・荻田泰永さんのお話を導入として、さらりと書かれていますが、大変に知性に満ち溢れた文章です!

さっきのご自身のことを記述した文章に比べると、まるで正反対の印象を抱いてしまうのです!

あと印象に残ったのは、熱気球による冒険家の最後を描いた「グッバイ・バルーン」。
たぶん死を覚悟していたであろう、神田道夫さんの描写には、考えさせられるものがありました。

ところで、本のタイトルにもなっている「探検家の憂鬱」はと言うと…。

ネタばらしをすると、36歳にもなって探検家をしていると、女性が相手にしてくれない、モテなくなったと。
それで憂鬱だと言うような話なのです。。。

馬鹿馬鹿しい…???
でもこれも角幡さんお得意の、自分を茶化して読者を引き寄せる、実は考え抜かれた絶妙な構成の文章なのかも?しれません。

▼角幡唯介さんのブログ

ホトケの顔も三度まで

▼参考書籍

   

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